冥王星を取り戻せ

見える限りの遠くの向こう

休むことについてのお話

 

体調悪すぎて寝ることもできないで書いたお話。

アホみたいに体調が悪い。
僕はアホではないのできちんと自分の体調不良に気づいた。

まずここが第一の褒めるべきポイントです。讃えてください。
凡百の有象無象であれば体調が悪くても「これくらいなら大丈夫だろう」という判断で無闇に動きまわり、ますます状態を悪化させます。

それではいけない。

何よりも優先すべきなのは心身の健康です。
会社での立場がどうした。学校の成績がどうした。
社会性なんてものは所詮社会が存在して初めて現れてくる概念であって、そんなもの自身の心身に比べたら毛ほどの価値もありません。
生きている限り自分の肉体と精神は自分に付き纏います。たとえあなたが世界最後の人類になってもです。覚えておきましょう。

そのような論理的かつ合理的な考えに基づいて適切に自分の身体をマネジメントするために休みを取りました。
いわゆる欠勤です。非正規雇用なのでダイレクトにお給料に響きます。もしかしたら契約にも関わります。怖い。
みなさんは休みを取りますか?取ったことはありますか?取りたいと思ってますか?

休みましょう。

人生の主な目的は休むことにあります。
生きるということは生命として活動をするということです。
我々は生命である以上、望むと望まざるとに関わらず活動を強いられるのです。
飯を食おうが横になろうが我々の心身は常に必死こいているのです。
我々が休息であると認識している様々な状況ですら、実は活動なのです。

怖い。
怖くないですか。でも大丈夫。ちゃんと休むことができます。

「精神が肉体を凌駕している」みたいな台詞、どっかで見たことありませんか。
そうです。時として精神は肉体を凌駕するのです。
体調が優れない時に仕事をしたり学業に勤しんだりするのもその一例ですね。
今回はこの方法を用いて休む方法をみなさんにお教えします。

つまり、「休むぞ!」と明確に意識をして休みましょう。
「俺は今休息しているぞ!」と声に出してみてもいいかもしれません。
先程申し上げた通り、身体の方は死が訪れるそのときまで過酷に活動を続けています。
そこはどうしようもありません。気軽に仮死状態になる方法はまだありません。

しかし精神の方はどうでしょう。
夢すら覚えていない熟睡の時、精神は果たして活動しているでしょうか。
よしんば活動していたとして、それを知覚する術は基本的に我々にはありません。
睡眠の重要性はここにありますね。精神活動のスイッチを切ることによって、我々は休息の錯覚を手に入れているわけです。

とはいえ、休息イコール睡眠という選択肢の少なさは如何なものでしょう。
文明を築き文化を発展させてきた人類の一員としては不満を感じるのも致し方無いことでしょう。
文明とはより良い選択肢を生み出すこと、文化とは多くの選択肢を持っていることという表現もできますしね。
そこで宣言法なわけです。より多様な休息を。正確には、休息の錯覚を。

睡眠によって休息の錯覚が得られる理由が精神の活動を自身では知覚できないという点にあるとすると、鍵を握るのは活動そのものではなくそれを知覚できるか否かであることは自明ですね。
これだけ多様な選択肢を生み出してきた人類が、初めから備わったシステム的なオン・オフしか実行できないわけがありません。
たとえば視界を暗くしたい時、日の入りをただじっと待つだけの人がいるでしょうか。
遮光カーテンを閉める人もいればアイマスクをする人だっているだしょう。
要は「暗い」という状態が大事なのであって、その手段はなんだって構わないのです。

だから思い込みましょう。
自発的な思い込みという精神活動の最たるものを用いて精神活動の知覚をシャットダウンするのです。
呪文の如く唱えましょう。
休むぞ、休みだ、休んでいる!
簡単ではないでしょう。険しい道のりになることは覚悟してください。失うものだってあるかもしれない。
それでも我々は休まなければならない。
人類が人類であるために。先人が築き上げてきた文明のために。積み上げてきた文化のために。
精神にかかる過剰な重圧が肉体すら苛むとしても、その先に得られるものがただの錯覚だとしても。
死が訪れるまで活動をし続ける頑迷な生命という化物に対抗するためには、こちらもまたそれ相応の異形になる必要があるのです。

意志を定めて覚悟を決めて休みましょう。
「全ての休息を望むものに幸あれ。汝休息を望むものを笑うことなかれ」と古い書物にもあります。
休むことはちっとも悪いことなんかではありません。
それは人類の挑戦なのです。己が生命であるということそのものに挑む誇り高き闘いなのです。
活動という支配者に対する抵抗、それこそが休息の本質です。覚えておきましょう。

っていうかまぁ、体調が悪い時は素直に休むのが一番です。
多少マシになったと思って昨日出勤したら帰る頃には笑えるほど悪化してたし。
病院行ってきます。