冥王星を取り戻せ

見える限りの遠くの向こう

また明日

 

暗闇の中で低く呻きながら俺はまた自分を見つけた。手探りでiPhoneを引き寄せる。俺は自分の手の届く範囲の内側にそれがあることを知っている。大丈夫だ。確かに記憶は連続している。それをデバイスの有無と位置でとりあえず確認する。連続の強度まで確かめる必要はない。どうせまたすぐに断続に飛び込む。直線に突き刺さる光に目を細める。これは生物として正しい反応のはずだ。現在時刻を把握する。これは人間としての所作。そのまま液晶の灯りで机を照らして錠剤を手のひらに乗せる。部屋にあったペットボトルの水。確かこの今日のどこかで部屋に持ち込んだもの。ぬるくなっているがどうでもいい。それを飲み下して再び横になる。iPhoneと指先でこの文章を書く。フリック入力。薬が効いてくる。眠気が強くなる。俺はこの文章だけは書き終えようと抵抗する。眠気が強くなる。俺は自分が選んだ断続に飛び込むことを拒んでいる。眠気が強くなる。また明日が来る。明日の定義に興味はない。三文芝居の台詞のような言葉遊びはどうでもいい。寝て、置きて、外が明るければ俺は明日に居る。まだ暗ければ今日だ。だから俺はまだ今日に居る。眠気が強くなる。きっと明日が来る。今に明日は来る。また明日が来る。俺は知っている。俺は眠気に抗えなくなっている。俺は俺の文章に満足していない。しかし俺はこの辺りで文章を終わらせてもいいかなと思い始めている。まだ眠気が強くなる。こうして今日の俺はまた惰性に身を任せる。性懲りもなくとりあえずで終わろうとする。きっとまた低く呻きながら俺は自分を見つける。何度でも。いつか突然終わるまで何度でも。眠気を強める。断続に飛び込む。多分それは群青色だと想像する。理由は特にない。その方が俺の気分が良い。俺は眠りに抗うことをやめる。俺は群青に潜って、一度途切れて、また浮かび上がる。断続。連続。おやすみ。おはよう。青と青のあいだでゆらりゆら。

また明日。